
こんにちは、yutaです。
前回の「テクニカル分析」に引き続き、今回は「ファンダメンタルズ分析」についてお話します。
1.ファンダメンタルズ分析とは
・ファンダメンタルズ分析
2.経済指標
・経済指標とは
・重要な経済指標
・・1.雇用統計
・・2.FOMC
・・3.四半期GDP
・・4.小売売上高
1.ファンダメンタルズ分析とは
ファンダメンタルズ分析
「チャートをもとに相場を分析」するのがテクニカル分析なのに対し、「経済指標や要人発言、世界情勢をもとに相場を分析」するのがファンダメンタルズ分析です。
2.経済指標
経済指標とは
経済指標とは、金利や物価、GDPなどの「経済情勢を計る値の推移を表す指標」です。実際には、この他にもたくさんの経済指標があります。
経済指標は、発表される日時が決まっていて、結果によってはレートに大きな影響を与えるため、多くのトレーダーは経済指標を取引の材料にしています。
一般的に、この指標でこういう値が発表されるとレートが上がる、下がるという考え方がありますが、毎回必ずその通りになるわけではないため注意が必要です。(為替レートの変化には、実際は発表される経済指標の他にも多くの要因が含まれています。)
重要な経済指標
本記事では、経済指標の中でも特に重要な経済指標をいくつか紹介します。
1.雇用統計
雇用統計とは、「米国の雇用情勢を示す」もので、米国の経済情勢を計る最も重要な指標であるため、多くのトレーダーが注目しています。毎月第一金曜日に発表されます。発表時刻は、4月〜10月の夏時間(サマータイム)は21:30、11月〜3月の冬時間は22:30です。
雇用統計で発表される内容は、
・平均時給(前年同月比)
・平均時給(前月比)
・失業率
・非農業部門雇用者数変化(前月比)
です。このうち特に重要なのが「非農業部門雇用者数変化」と言われていますが、実際にはこの発表値が良かったとしても平均時給などが悪ければ市場がネガティブに反応してレートが下がる(ドル売り)こともあるので結局は全体のバランスによります。
経済指標の多くは、発表前に「前回の値」と「今回の予想値」があらかじめ公開されています。本記事を執筆している今日がまさに雇用統計の発表日なので、DMM FXで公開されているデータをチェックして見ました。以下がそのデータです。
日時 | 経済指標 | 前回 | 予想 | 結果 |
2019/05/03(金)21:30 | 平均時給(前年同月比) | 3.2% | 3.3% | – |
2019/05/03(金)21:30 | 平均時給(前月比) | 0.1% | 0.3% | – |
2019/05/03(金)21:30 | 失業率 | 3.8% | 3.8% | – |
2019/05/03(金)21:30 | 非農業部門雇用者数変化(前月比) | 19.6万人 | 18.5万人 | – |
平均時給を見ると、前年同月比は「3.2%→3.3%」、前月比は「0.1%→0.3%」という具合に前回よりも良くなる予想ですのでドル高になる可能性を示唆しています。
失業率を見ると、「3.8%→3.8%」で変化がないため市場への影響は小さそうです。
非農業部門雇用者数変化を見ると、「19.6万人→18.5万人」で1.1万人減少と予想されています。これには市場がネガティブに反応する可能性がありますが、非農業部門雇用者数変化は20万人前後が健全な値なので、予想値も小さすぎるわけでもなく、前回からの変化もすごく大きいわけではない(19.6万人→10万人のようなレベルではない)ので、ネガティブに反応したとしてもその影響は限定的かもしれません。
いずれにしても、現在わかっている値はあくまで予想値なので実際の発表値との乖離があれば市場の反応は大きく変わってきます。
以下に過去の雇用統計のデータとその時のドル円チャートの変化を示します。
これは2018年3月9日の雇用統計のデータと、雇用統計発表後の1時間足チャートです。チャートの左側(ローソク足の上)に赤色のチェックマークがありますが、それが雇用統計発表時点を表しています。
・平均時給「0.3%(前回)→0.2%(予想)→0.1%(結果)」は、前回および予想よりも悪い結果となっていますのでネガティブ要因です。
・失業率「5.9%→5.9%→5.8%」で、予想では変化なしだったものの実際に発表された値は前回よりも良い結果となっていますのでポジティブ要因です。(余談ですが、先ほど示した2019年5月現在の失業率は3.8%でしたので、約1年前のこの例と比べると2%も低いですね。つまり、米国の雇用状況は改善されてきているということでしょう。)
・非農業部門雇用者数変化「20.0万人→20.5万人→31.3万人」は、前回および予想を大きく超えて良い結果となっていますのでかなりポジティブ要因です。
というわけで、全体を通してみると市場がポジティブな反応を示すのではないか?という予想を立てることができます。
しかしながら、実際のチャートで雇用統計発表後の値動きを見てみると、上下しつつも最終的には発表時点よりもドル安(レートが下落)になっており、市場がネガティブに反応したことが分かります。
この辺りがFXの難しいところで、実際の世界経済にはその時発表される経済指標以外にも様々な要因が影響しているので必ずしも発表値が良かったからと言って市場がポジティブに反応するわけではないのです。


とはいえ、以下のようにあからさまに指標結果に影響を受ける場合もあります。
・平均時給「0.2%→0.3%→0.3%」:ポジティブですが、0.1%の改善でしかも予想通りの結果なのでサプライズ感はありません。
・失業率「4.1%→4.1%→4.1%」:変化なしなので、特に影響はないでしょう。
・非農業部門雇用者数変化「22.8万人→19.0万人→14.8万人」:前回や予想を超えて大きく下落しているので非常にネガティブに捉えられる可能性があります。
この例では、ポジティブ要因とネガティブ要因がどちらもありますが、ネガティブ要因の方が変動具合やサプライズ感が大きいため、市場がネガティブに反応すると予想できます。そして、以下のチャートをみると雇用統計発表後、大きく下落し、市場がネガティブに反応したことが分かります。


2.FOMC
FOMC(えふおーえむしー/ふぉまっく)は、連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の略称で、米国の政策金利(FF金利)を決定する会合のことです。
年に8回行われ、現在の米国の経済情勢やFF金利の上げ下げを判断します。会合後の要人発言や発表されるFF金利の値は市場に大きな影響を与えるため、雇用統計と同様にトレーダーに非常に注目されている指標です。
また、FOMCの2週間前の水曜日には「ベージュブック」が発表されます。ベージュブックとは米国の12の地区連銀による経済情勢の報告書のことで、これをもとにFOMCでの議論がなされるため、FF金利が上がるか下がるか(利上げされるかどうか)を予想する材料になります。
以下に、利上げが発表された時のドル円チャート(1時間足)を示しますが、「利上げ=ドル買い(ドル高)」とは必ずしもならないことが分かります。もちろん、あからさまにドル高になっているところもあります。


3.四半期GDP
GDPは、国内総生産のことで非常に有名な指標なので、学生時代に社会科の授業で耳にしたことがあるのではないでしょうか。
GDPは、国内で新たに生産された財やサービスの付加価値の総額を表しており、経済の成長具合や景気の変化を判断するために使用されます。四半期に算出されますが、速報値・改定値・確定値という3つの数値が1ヶ月ごとに発表されるため、実際には1年間毎月発表されます。
第一四半期の速報値が4月に発表され、改定値が5月、確定値が6月。第二四半期の速報値が7月・・・という具合に一年を通して毎月発表されます。
基本的に、4月・7月・10月・1月に発表される速報値のインパクトが大きく、市場が反応しやすいと言われています。
4.小売売上高
小売売上高は、米国の百貨店を含む小売、サービス業の売上高を集計した指標です。個人の消費活動の動向を把握するうえでもっとも重要になります。通常、毎月第二週に発表されます。
米国のGDPの7割は個人消費と言われていますので、小売売上高は米国のGDPそして、金融政策を予想するうえで非常に重要です。変動率の大きい自動車を除いた「コア指数」と「前月比」が注目されます。
一般的に、小売売上高の数値が大きくなれば景気改善でドル買いと判断され、逆ならドル売りと判断されます。また、ガソリン価格や雇用情勢との相関もあり、ガソリン価格や雇用情勢が上がれば小売売上高も上がる傾向にあります。
以下に、2019年3月11日の小売売上高のデータと発表後のドル円チャート(30分足)を示します。小売売上高(除自動車)[前月比]「-1.8%→0.2%→0.9%」なので予想を超えて上昇しています。小売売上高[前月比]「-1.2%→-0.1%→0.2%」なのでこちらも予想を超えて上昇しています。従って、市場がポジティブに反応してドル買いが発生する(ドル高になる)と予想できます。実際、チャートは指標発表後に一度少しレートを下げたものの最終的に上昇していることが分かります。
日時 | 経済指標 | 前回 | 予想 | 結果 |
2019/03/11(月) 21:30 | 小売売上高(除自動車)[前月比] | -1.8% | 0.2% | 0.9% |
2019/03/11(月) 21:30 | 小売売上高[前月比] | -1.2% | -0.1% | 0.2% |

今回紹介した経済指標の他にも「ISM製造業景況指数」や「ADP雇用統計」などトレード材料になりうる指標はたくさんありますので、一度調べてみると良いかと思います。次回は「資金管理」についてお話しします。では、また!
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